有料化したレジ袋 大手各社の料金・対応を表で紹介!【コンビニ・スーパー・飲食店・アパレル…etc.】
7/1から、レジ袋が全国で有料化。
海に流れ出たプラスチックごみによる環境汚染の問題を受けて、消費者のエコに対する意識改革のため身近なプラスチックの代表例であるレジ袋の消費量見直しが求められている。
前回の記事では6月時点で発表されていた大手チェーン各社の対応を紹介した。
いよいよ7月に入り制度がスタートしたことを受け、今回はさらに広範囲に各企業・店舗の対応を調査。
どのサイズがいくらで販売されるのかが一目でわかるよう、表を用いて紹介していく。
コンビニエンスストアのレジ袋の値段
まずは前回もご紹介したコンビニエンスストア各社。
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの大手3社は基本1枚あたり3円で、セブンイレブンのみ特大サイズを5円で販売する。デイリーヤマザキもそれにならう形だ。
一方、ミニストップは中・大・弁当用サイズが1枚2円、特大サイズが4円。JR東日本グループ傘下のNewDaysは小・中・大サイズを2円でそれぞれ有料化した。
ちなみに、ファミリーマートはレジ袋の有料化に独自の施策を開始。それが、公式アプリ「ファミペイ」利用ユーザーを対象にした「ファミマエコスタンプ」のキャンペーンだ。
アプリ画面を提示した人1回の買い物で購入金額が税込200円以上、かつレジ袋を辞退するとアプリ内でキャンペーンのスタンプが1個付与される。
このスタンプを30個貯めると対象期間中に特典と交換できるサービスで、レジ袋の辞退率向上を目指す。
スーパーマーケットのレジ袋の値段
数年前から独自にレジ袋削減の取り組みをしていた店舗も多いスーパーマーケット業界。
レジ袋辞退客へのポイント付与や値引きサービスがされていたケースも目立つが、7月1日以降こういったサービスは禁止に。
消費者目線からすると、メリットが減ってしまい少々残念といえるかもしれない。
生鮮食品だけでなく衣料品や日用雑貨も扱う大手スーパーでは、使用されている買い物袋の種類も多く、価格はサイズや種類によって分けられている。
以下に紹介する西友、イトーヨーカ堂、イオン、サミットの各店では法律上は無料配布が可能な紙袋も有料化の対象だ。
ドラッグストアのレジ袋の値段
続いてドラッグストア。
ツルハドラッグ、スギ薬局、マツモトキヨシ、ココカラファイン、ウェルシアのレジ袋価格を調査した。
各社バラつきはあるものの、一般的な小~大サイズは2円~5円の範囲内でコンビニエンスストアやスーパーとだいたい同等の価格帯だ。
飲食店のレジ袋の値段
今年、コロナウィルス蔓延により、テイクアウト・デリバリーの需要がますます伸びることとなった飲食業界。
テイクアウトの際は商品をプラスチック製の袋に入れて客に渡す店舗が多く、当然これらも有料化の対象となる。
しかし、コンビニ・スーパーなど小売店舗が軒並み有料化に踏み切る中、飲食業界は少々勝手が違うようだ。
誰もが一度は利用したことがあるであろう有名チェーン店の多くが、レジ袋の無料配布継続を発表しているのである。
この対応、理由はいくつか存在する。
まず1つめに、現場オペレーションの効率重視。客に毎回レジ袋の有無を尋ねなくてはならない状況は、回転率の良さを求めるファストフード店では歓迎されない。
食券スタイルの店舗では、券売機で1円単位の金額を投入できるケースが少なく、安価なレジ袋の販売に適さないという問題もある。
商品の性質上、レジ袋の辞退が難しいのも無料配布継続の理由として挙げられる。
近距離なら良いかもしれないが、料理の入った容器をそのまま手に持ったり、あるいはかばんに入れたりして長時間持ち運ぶのは現実的とはいえないだろう。マイバッグに入れるにしても、傾いて汁が漏れ出てしまう危険があり衛生面でも不安だ。特に今は、感染症対策として飲食店には従来以上に厳しい衛生管理の体制が求められている。
現状、有料化対象外のアイテムへの切り替えや紙袋の利用でレジ袋の無料配布を継続する主なチェーンは以下の通り。
ファストフードのマクドナルド、ロッテリア、ケンタッキーフライドチキンはバイオマス成分配合レジ袋へ切り替え。このうちマクドナルドは紙袋も併用、また同じく人気バーガーチェーンであるモスバーガーは手提げ付き紙袋のみを使用する。
牛丼チェーンの吉野家、すき家、松屋はのきなみバイオマス成分配合レジ袋を無料配布。すき家では牛丼の持ち帰りに適した、底マチ付きで保温性のあるオリジナルエコバッグを数量限定で7/7(火)から販売する。
スターバックス・ドトールのカフェ業態では従来から紙袋を使用しており、そのまま無料配布を継続だ。サーティワンアイスクリームは使用するビニール袋の厚みが50μ以上なので有料化対象外。顧客には袋の再利用を促している。
回転ずしのくら寿司・はま寿司も、バイオマス成分配合のレジ袋を無料で配布。寿司のテイクアウトは特に、一般的なマイバッグやカバンでは持ち帰りに適さない。対応したサイズのレジ袋を選ばざるを得ず、有料化は難しいとの判断だった。
一方、有料化する飲食チェーンはこのような顔ぶれとなっている。
アパレルショップのレジ袋の値段
複数の有名ブランドが「サスティナブル・ファッション」の提案をするなど、全体的にエコへの機運が高まってきているアパレル業界。
すでにポリ製・紙製を問わず持ち帰り袋を有料化しているブランド・企業も多い中、国内の主要なファストファッションブランドの各店の対応は以下の通りとなる。
もともと今年の4/1から持ち帰り袋の有料化を発表していたUNIQLO・GUは、全国店舗での環境配慮型紙袋への切り替えが遅れたことにより、当面は無料配布を継続する。有料化実施のタイミングは追って連絡、とのことだ。
圧倒的なコスパの良さで人気の高いしまむらは、バイオマス成分配合のレジ袋に切り替え無料配布を続ける。さらに、しまむら店舗で配布したレジ袋を、リサイクルのため1枚1円で買い取るサービスを実施。コロナウィルス感染防止対策のため一時休止していたが、消費者からは好評だ。
一方で、有料化に踏み切ったのがベビー・子ども服の西松屋。1枚あたり5円で販売する。
ファストファッションジャンルのなかでもサスティナブル・ファッションの先駆け的存在であるH&Mは、以前から紙袋を1枚あたり20円で販売中だ。
雑貨・インテリア店のレジ袋の値段
生活雑貨・インテリアを販売するニトリ・無印良品・カインズのレジ袋事情についても調査した。
ニトリはレジ袋を2サイズで使用。バイオマス成分が25%配合されており無料配布の基準を満たすが、環境配慮のため両サイズとも1枚5円で販売する。
無印良品は、ポリ製袋を全面廃止。紙袋のサイズを充実させ、無料での配布を継続する。また、環境のための独自施策として、再生ポリプロピレンを使用したショッピングバッグを1枚150円で販売。こちらはデポジット式なので、不要になったバッグは店舗へ持参すれば返金される仕組みだ。
カインズでは中サイズを2円、大サイズを3円、特大サイズを5円でそれぞれ販売する。
娯楽関係のレジ袋の値段
生活に彩りを加える娯楽関係の店舗・施設での対応は以下の通り。
蔦屋書店、紀伊国屋書店、三省堂書店では袋をポリ(プラスチック)製と紙製の2種類を用意。それぞれ価格を分けて販売する。
CD販売のタワーレコードでは、厚み50μ以上のレジ袋を無料で配布。こちらはバイオマス成分が配合された素材へ順次切り替え予定だ。
サービス業である映画館でも、パンフレットや土産物を販売する売店のレジ袋は有料化の対象となる。TOHOシネマズでは小・中サイズが10円、大サイズが20円、特大サイズが30円でそれぞれ有料化となった。
アミューズメントパークやキャラクターショップの買い物袋は、いわゆるコンビニ・スーパーなどのレジ袋とは少々立ち位置が異なるかもしれない。
キャラクターのデザインが印刷された袋は付加価値が高く、以前からコレクションをしているファンもいるほど。そのためか、ディズニーストア・ユニバーサルスタジオジャパン・サンリオショップのレジ袋価格は他業種に比べ高めに設定されている。
そんな中、7/1から運営を再開した東京ディズニーリゾートは、当面の間バイオマス成分40%配合のレジ袋の無料提供を続けると発表した。いずれ有料化する予定だが、具体的なスケジュールはまだ公表されていない。
まとめ
国内で知名度・人気の高いいわゆる大手小売業の多くが今回の制度改正でレジ袋の有料化に踏み切った。
一方で、飲食業のようにサービスや商品の性質上、無料配布の継続を判断するケースも存在する。
1点注意いただきたいのだが、ご紹介している各社で扱うレジ袋のサイズはすべて同一とは限らない。そもそもレジ袋の大きさには東日本と西日本で地域差がある。
コンビニA社の「S・M・LのうちSサイズ」とスーパーB社の「小・中・大のうち小サイズ」は必ずしも同じではないので、あくまでも今回紹介したデータは目安として考えていただければ幸いだ。
これまでの買い物スタイルに大きな変化が訪れたレジ袋の有料化。今後店舗にとって気になってくるのが、これを受けての消費者の反応だろう。
わたしたちシモジマも引き続きレジ袋有料化の動向を注視し、皆さまに有効な情報をお届けできるようつとめていきたい。
レジ袋有料化の制度や関連製品についての情報はこちらのページでまとめてご紹介をしております。ぜひご確認ください。