ボルト強度区分とは？選び方と用途をわかりやすく解説
ボルトを選ぶ際に、どの強度区分を選べば良いか迷った経験はありませんか？ボルトの強度区分は、使用する目的や設置される環境に応じて適切なものを選ぶことが非常に重要です。この記事では、ボルトの強度区分について説明し、その選び方や具体的な用途についてわかりやすくご紹介します。これを読むことで、最適なボルトを選ぶ自信が持てるようになりますよ。ぜひ最後までお読みいただき、ボルト選びのポイントをしっかりマスターしてみましょう。
この記事は、包装用品・店舗用品の通販 「シモジマオンラインショップ 」が監修しています。
ボルト強度区分とは何か？基礎からわかりやすく解説
ボルトの強度区分について知りたいけれど、どこから手をつければいいのかわからない、そんな方も多いのではないでしょうか。ここでは、ボルト強度区分の基本的な意味をわかりやすく解説し、選び方や用途に関するヒントをご紹介します。ボルト選びの際に自信を持って判断できるようになりましょう。そもそも「強度区分」って何？
強度区分とは、ボルトの耐久性や強度を示す指標のことです。ボルトは用途に応じて異なる力を受けるため、適切な強度区分のボルトを選ぶことが重要です。強度区分は通常、数字と記号の組み合わせで表示され、例えば「8.8」や「10.9」といった形で示されます。この数字は、ボルトの引張強度と降伏強度を表しており、ボルトがどれだけの力に耐えられるかを示しています。 引張強度って？ 材料を引っ張ったときに、壊れるまでにどれだけの力に耐えられるかを示す強度のことです。具体的には、材料が引っ張られるときにどの程度の力まで耐えられるかを測定したもので、引張強度を超えると材料が破断します。 降伏強度って？ 簡単に言うと、降伏強度とは材料が塑性変形を始めるときの応力のことを指します。塑性変形とは、材料が元の形に戻らなくなる、つまり永久変形を示しています。例えば、金属棒を引っ張ると、ある程度の力までは元に戻りますが、降伏強度を超えると元の形に戻らなくなります。 ボルトの強度区分において、引張強度はボルトが切断されるまでに耐えられる最大の応力を指し、降伏強度はボルトが元に戻らない塑性変形を始める力の限界を示します。降伏強度を超えると形状が戻らなくなり、機械的な性能が損なわれるため、実際の使用では降伏強度以下で使うことが重要です。強度区分の数値（例：8.8）のうち、最初の「8」を100倍にした数字は引張強度（800MPa）を、後ろの「.8」は降伏強度の割合（80％）を表しています。 これらの数値を理解することで、どのボルトが特定の用途に適しているかを判断することができます。 ねじ・ボルト・ナットカテゴリはこちらボルトの強度区分の種類と特徴
ボルトの強度区分は、使用目的や環境に応じて選ぶことが重要です。どのようなボルトを選べば良いのか、その判断基準を解説していきます。強度区分の種類とそれぞれの特徴を理解することで、用途に合ったボルトを選べるようになります。
よく使われる強度区分「4.6」「8.8」「10.9」「12.9」
ボルトの強度区分は、数値で表されることが一般的です。例えば、「4.6」は比較的低強度で、軽負荷の用途に適しています。「8.8」は中程度の強度を持ち、一般的な機械部品に広く使用されます。「10.9」は高強度で、重負荷がかかる場所に適しています。「12.9」は非常に高い強度を誇り、特殊な環境や高負荷の条件下で使用されます。それぞれの区分は、使用環境に応じた選択が求められます。 これらの数値は、ボルトの引張強さと降伏強さを示しています。例えば、「8.8」は、引張強さが800MPa、降伏強さが640MPaを意味します。このように、数値の読み方を理解することで、適切なボルト選びが可能になります。 引張強度（MPa）＝強度区分の1つ目の数値 × 100 → 「8.8」の場合：8 × 100 = 800 MPa 降伏強度（MPa）＝引張強度 × 強度区分の2つ目の数値 → 「8.8」の場合：800 × 0.8 = 640 MPaどの強度を選べばいい？使用環境ごとの選び方
ボルトの強度を選ぶ際には、使用する環境や負荷条件を考慮することが重要です。例えば、日常的な家庭用品や軽負荷の組立には「4.6」のボルトが適しています。一般的な機械や建築用途では「8.8」が標準的に使用されます。 さらに、重機械や高負荷がかかる産業用途では「10.9」や「12.9」を選ぶことが推奨されます。使用環境が過酷な場合や、長期間にわたって高い耐久性が求められる場合には、より高い強度のボルトを選ぶことで安全性を確保することができます。選択の際には、負荷や環境条件を十分に考慮してください。 ねじ・ボルト・ナットカテゴリはこちら強度区分と材質・表面処理の関係
ボルトの選び方において、強度区分だけでなく材質や表面処理も重要な要素です。ここでは、材質と表面処理がどのように強度区分と関連し、選択に影響を与えるのかを解説します。適切なボルトを選ぶための基礎知識を知りましょう。
材質によって変わる強度
ボルトの強度は材質によって大きく変わります。一般的に、鋼鉄製のボルトは高い強度を持ちますが、錆びやすいという欠点があります。一方、ステンレス製のボルトは耐錆性に優れており、湿気の多い場所での使用に適しています。ただし、強度は鋼鉄製に比べてやや劣ることがあります。アルミニウム製のボルトは軽量で、耐食性も持ち合わせていますが、強度が低いため、軽負荷の用途に適しています。用途に応じて材質を選ぶことが重要です。防錆や耐久性を左右する「表面処理」
表面処理はボルトの防錆性や耐久性を左右する重要な要素です。亜鉛メッキは一般的な防錆処理で、コストパフォーマンスに優れていますが、過酷な環境下では効果が薄れることがあります。クロムメッキは美観を保ちながら耐食性を向上させますが、コストが高めです。使用環境に合わせた表面処理を選ぶことで、ボルトの寿命を大幅に延ばすことができます。 ねじ・ボルト・ナットカテゴリはこちら実際に選ぶときの注意点と失敗例
ボルトの強度区分を選ぶ際には、単に強度が高いものを選べば良いわけではありません。実際の使用環境や目的に応じた選択が求められます。ここでは、選び方の注意点やよくある失敗例について解説します。これにより、適切なボルト選びに役立つ情報を得ることができます。強度が高ければ良いとは限らない
ボルトの強度が高いほど優れていると考えがちですが、必ずしもそうではありません。高強度のボルトは、必要以上の応力をかけると脆くなることがあります。特に、振動や衝撃が多い環境では、柔軟性が求められる場合もあります。そのため、使用する環境や目的に応じて適切な強度を選ぶことが重要です。 また、強度が高いボルトはコストが高くなる傾向があります。過剰な強度は無駄なコストを生むだけでなく、取り扱いにも注意が必要です。適切な強度を選ぶことで、効率的かつ経済的にプロジェクトを進めることができます。ねじ山の潰れや破断の原因は強度ミスマッチ
ボルト選びでよくある失敗の一つに、ねじ山の潰れや破断があります。これは、ボルトの強度が使用環境に合っていないことが原因となることが多いです。例えば、過剰な強度のボルトを使用すると、ねじ山に過度な力がかかり、潰れや破断を招くことがあります。 逆に、強度が不足していると、ボルトが負荷に耐えられず、破断するリスクが高まります。これを防ぐためには、ボルトの強度区分を正確に理解し、使用する機材や環境に適したものを選ぶことが不可欠です。適切な選択をすることで、事故や故障を未然に防ぐことができます。 ねじ・ボルト・ナットカテゴリはこちらボルトの強度区分はどうやって確認する？
ボルトを選ぶ際にその強度区分を確認することは非常に重要です。強度区分が適切でないと、設計や施工において問題が発生する可能性があります。ここでは、ボルトの強度区分をどのように確認すれば良いのか、具体的な方法を解説します。これにより、適切なボルトを選択するための知識を得ることができます。ボルトの頭部刻印をチェック
ボルトの強度区分を確認する方法の一つとして、ボルトの頭部に刻印されている情報をチェックすることが挙げられます。多くのボルトは、頭部に強度区分を示す数字やアルファベットが刻印されています。例えば、「8.8」や「10.9」といった数字は、ボルトの引張強度や降伏点を示すもので、これによりボルトの性能を簡単に把握することができます。この刻印を確認することで、使用環境に適したボルトを選ぶ手助けとなります。
また、刻印には製造メーカーや材質に関する情報が含まれていることもあります。これらの情報を総合的に判断することで、ボルトの品質や適用範囲を理解することができます。刻印の読み方を知っておくことで、選択の幅が広がります。
製品仕様書・パッケージの記載確認
ボルトの強度区分を確認する際には、製品仕様書やパッケージの記載内容を確認することも重要です。これらの書類やパッケージには、製品の詳細な情報が記載されており、強度区分や材質、表面処理の有無などが明確に示されています。特に、規格に準拠しているかどうかを確認するためには、これらの情報が役立ちます。 製品仕様書には、ボルトの適用範囲や使用上の注意点なども記載されていることが多く、これを読むことでより安全に製品を使用することができます。パッケージの情報と併せて確認することで、購入時に誤った選択を避けることができるでしょう。 ねじ・ボルト・ナットカテゴリはこちらよくある質問（FAQ）
Q：ボルトの強度区分は？
A：ボルトの強度区分とは、ボルトが耐えられる荷重や応力を示す指標です。通常、数字で表され、例えば「4.6」や「8.8」などがあります。 最初の数字は引張強度を表し、後の数字は降伏強度を示します。これにより、どの程度の荷重に耐えられるかを簡単に判断できます。用途に応じて適切な強度区分のボルトを選ぶことが重要です。Q：一番強いボルトはどれですか？
A：ボルトの強度は、一般的に「12.9」が最も高いとされています。この強度区分は、非常に高い引張強さと降伏点を持ち、重負荷がかかる産業機械や建設現場で使用されます。 しかし、強度が高いほど良いわけではありません。使用する環境や目的に応じて、適切な強度を選択することが重要です。Q：ボルトの強度は鉄とステンレスではどちらが強いですか？
A：鉄製のボルトとステンレス製のボルトのどちらが強いかは、一概には言えません。 鉄製ボルトは、一般に高い強度を持ちますが、錆びやすいという欠点があります。一方、ステンレス製ボルトは耐食性に優れ、錆びにくいですが、強度は鉄製よりも低い場合があります。用途や環境に応じて、適切な材質を選ぶことが大切です。 ねじ・ボルト・ナットカテゴリはこちらまとめ｜ボルトの強度区分を理解して、適切な商品選びを
ボルトの強度区分は、使用目的や環境に応じて適切な選択をするために重要です。強度区分の意味を理解することで、必要な強度と性能を持つボルトを選ぶことが可能になります。
また、材質や表面処理もボルトの耐久性や防錆性能に影響を与えるため、用途に応じた選択が求められます。強度区分は、ボルトの頭部刻印や製品仕様書を見ることで確認できます。これらの知識を活用して、適切なボルトを選び、安心して使用できる環境を整えましょう。
ねじ・ボルト・ナットカテゴリはこちら
この記事は、包装用品・店舗用品の通販 「シモジマオンラインショップ 」が監修しています。
関連ブログ
ネジ山とは？ネジの基礎知識｜特徴や用途、修正方法までを徹底解説
ねじ転造とは？メリット・加工方法・切削との違いを徹底解説