脱酸素剤とは?使い方と効果|食品の長期保存に欠かせない理由
食品を長期保存したいと考えたことはありませんか?保存期間を延ばすためには、酸素を除去することが大切です。この記事では、食品の鮮度を保つために欠かせない「脱酸素剤」について詳しくご紹介します。脱酸素剤の基本的な役割や使い方、そしてその効果について知識を深めて参りましょう。
脱酸素剤は、酸素を除去することで食品の酸化を防ぎ、品質を維持します。この記事を読むことで、脱酸素剤の選び方や具体的な使用例、さらには安全性についても理解できるようになります。シモジマでは、食品の種類や量によりいくつかの種類をご用意しておりますので、用途に合わせての選択がおすすめです。
この記事は、包装用品・店舗用品の通販 「シモジマオンラインショップ 」が監修しています。
脱酸素剤の基本原理と役割
食品の長期保存には、酸素を取り除くことが重要です。脱酸素剤は、酸化や劣化を防ぎたい食品と一緒に包装し、容器内を無酸素状態にするための鮮度保持剤です。ここでは、脱酸素剤がどのように機能し、食品保存においてどのような役割を果たすのかを説明します。
脱酸素剤が酸素を除去する仕組み
脱酸素剤は、主に鉄粉・無機材・塩分を含む小袋で構成されています。鉄粉が酸素と反応することで酸化鉄が生成され、この過程で周囲の酸素が除去されます。これにより、袋内の酸素濃度が低下し、食品の酸化を防ぐことができます。この反応は化学的に安定しており、長期間にわたって効果を発揮します。また、脱酸素剤には異なる種類があり、用途に応じて選ばれます。例えば、水分依存型の脱酸素剤は、食品の水分を利用して酸素を除去します。これにより、乾燥食品や湿気の少ない環境でも効果的に酸素を排除することが可能です。食品保存における脱酸素剤の役割
食品保存において、酸素は品質を劣化させる大きな要因です。酸素が食品に触れると、酸化が進み、風味や栄養価が損なわれることがあります。脱酸素剤は、これを防ぐために使用され、食品の新鮮さを保ちます。さらに、脱酸素剤は食品の色を保持するのにも役立ちます。酸化による色の変化を防ぐことで、見た目の品質も向上します。また、酸素を除去することで、カビや細菌の発生を抑え、油脂の酸化を防ぐことで、作りたての美味しさをそのままキープすることができます。脱酸素剤と乾燥剤の違い
脱酸素剤と乾燥剤は、どちらも食品保存に用いられますが、目的と機能が異なります。脱酸素剤は酸素を除去することで食品の酸化を防ぎますが、乾燥剤は湿気を吸収して食品を乾燥状態に保ちます。乾燥剤は、シリカゲルや石灰などを使用しており、水分を吸収することでカビの発生を防ぎます。一方、脱酸素剤は酸素を化学反応で取り除くため、酸化防止に特化しています。乾燥剤はパリパリ・サクサクした食感の食品など、水分を含むと品質が落ちる商品に使用されるのに対し、脱酸素剤は水分を多く含みしっとりした食感の食品の酸化やカビの発生を防ぐのに適しています。これらの違いを理解し、適切な用途で使用することが重要です。 脱酸素剤と乾燥剤の簡易比較表| 項目 | 脱酸素剤 | 乾燥剤 |
|---|---|---|
| はたらき | 空気中の酸素を除去して品質を守る | 空気中の水分を除去して品質を守る |
| 防げるもの | 酸化、カビ、変色、においの変化 | 湿気、ベタつき、カビ |
| よく使う食品 | 饅頭、カステラ、ナッツ、海苔、コーヒーなど | クッキー、スナック、粉もの、ドライフルーツなど |
| 合う食品の特徴 | 油や香りがある、しっとりしている食品 | サクサクしている、乾いた食品 |
| 使用時の注意点 | 密閉した容器で使うこと | 食品の近くに入れて湿気をしっかり吸わせること |
脱酸素剤を種類から選ぶ
食品の長期保存を考える際、脱酸素剤は非常に重要な役割を果たします。酸素を除去することで食品の劣化を防ぎ、品質を保つことができるため、多くの商品で活用されています。ここでは、具体的にどのような商品に脱酸素剤が使われているのかを詳しく解説します。 簡易種類一覧| 脱酸素剤の種類 | 反応の仕組み | 酸素吸収速度 | 主な使用例 |
|---|---|---|---|
| 自力反応型(速効タイプ) | 自身の水分で即座に反応開始 | 高速 | バームクーヘン、カステラ、饅頭、半生菓子、鮮魚切り身(冷凍・冷蔵) |
| 自力反応型(一般タイプ) | 自身の水分で反応開始(やや緩やか) | 中速 | 月餅、米、雑穀、ナッツ類、煮干し、コーヒー、海苔(低水分用) |
| 水分依存型 | 食品から出る水分で反応開始 | 食品により変動 | 切餅、味噌、生麺、半生うどん、生わかめ、生パン粉、一夜干し |
自力反応型脱酸素剤の特徴と用途
自力反応型脱酸素剤は、空気に触れた瞬間から酸素の吸収を始めます。さらに反応速度により二つのタイプ(速攻タイプ・一般タイプ)に分かれます。酸素吸収量が多く、長期間にわたって効果を発揮するのが特徴です。食品の風味や品質を維持するために、特に密閉された環境での使用が推奨されます。使用時には、食品の種類や保存条件に合わせて選ぶことが重要です。 ●自力反応型(速効タイプ) 脱酸素剤自体が酸素吸収反応に必要な水分を持っており、空気に触れるとすぐに酸素吸収を始めます。このタイプは酸素を吸収する速度が速く、特に水分量が多く傷みやすい食品の保存に適しています。バームクーヘン・カステラ・人形焼き・パウンドケーキ・マドレーヌ・饅頭・半生菓子などに使用するのがお勧めです。鮮魚切身・魚卵などの保存に適した冷凍・冷蔵用もあります。 ●自力反応型(一般タイプ) 速効タイプと同様に脱酸素剤自体が酸素吸収反応に必要な水分を持っており、空気に触れるとすぐに酸素吸収を始めますが、速効タイプに比べ酸素吸収の速度は緩やかです。汎用性の高いタイプとなり、低~中水分の食品に向いています。月餅・米菓・米・雑穀・ナッツ類・煮干しなどの他、医薬品の保存にも最適です。中でも低水分用は香り保持性にも優れ、コーヒー・香辛料、海苔などの保存に適します。水分依存型脱酸素剤の特徴と用途
水分依存型脱酸素剤は、食品から蒸発してくる水分を利用して酸素を除去します。このタイプは、湿度の高い環境で効果を発揮しやすく、特に水分量の多い食品に適しています。反対に乾燥食品には向きません。食品からの水分が必要となるため、食品から離さず水分の届きやすい場所に置くことが大切になります。この脱酸素剤は、切餅・白玉・味噌・生麺・半生うどん・生わかめ・生パン粉・一夜干し・佃煮などの保存に適します。
脱酸素剤がよく使われる商品とは
乾燥食品への活用例

乾燥食品は、湿気や酸素による劣化を防ぐために脱酸素剤がよく使用されます。例えば、煮干しや乾燥海苔、コーヒー豆、香辛料、ナッツ類などが代表的です。脱酸素剤を使用することで、これらの食品は酸化による風味や色の劣化を防ぎ、長期間にわたって新鮮さを保つことができます。また、酸素が原因で発生するカビや細菌の増殖を抑える効果もあります。
お菓子やスナック類での利用

お菓子やスナック類でも脱酸素剤は欠かせない存在です。特に、バームクーヘンやカステラ、マドレーヌ、饅頭、月餅などの半生菓子や焼き菓子は酸素による酸化が味や食感に大きく影響を与えるため、脱酸素剤を使用することでこれを防ぎます。これにより、消費者は購入後も長期間にわたっておいしさを楽しむことができます。さらに、酸化による栄養素の損失を防ぎ、商品価値を高める効果もあります。
その他の使用事例

脱酸素剤は食品以外にも幅広く利用されています。例えば、医薬品や化粧品の保存にも活用されており、これらの製品が酸素によって劣化するのを防ぐ役割を果たします。また、電子機器や金属製品の酸化防止にも使用され、製品の品質維持に貢献しています。これにより、さまざまな業界で脱酸素剤は重要な役割を担っています。また、脱酸素剤は衣類の包装に使用すると、残った皮脂の酸化による黄ばみや虫食いを防ぐ効果もあります。
脱酸素剤の安全性について
食品の長期保存に欠かせない脱酸素剤ですが、その安全性について気になる方も多いでしょう。ここでは、脱酸素剤の成分や安全基準、使用方法と注意点について詳しく解説し、安全に利用するための知識を提供します。
食品用脱酸素剤の成分と安全基準
食品用脱酸素剤の主成分は、鉄粉や活性炭などの酸素吸収剤です。これらの成分は、酸素と反応することで酸化反応を起こし、食品の酸化を防ぎます。食品衛生法に基づき、脱酸素剤は厳しい安全基準をクリアしたものが使用されています。具体的には、食品に直接触れることがないようにパッケージされており、また脱酸素剤の小袋は、厚生労働省が定めた「食品に接触しても良い」とされる基準に沿っており、内容物の安全性が認められています。これにより、消費者は安心して食品を保存することができます。さらに、製品ラベルには使用期限や使用条件が明記されており、安全に使用するための指針が示されています。正しい使用方法と注意点
脱酸素剤を使用する際は、まずパッケージの指示に従うことが重要です。一般的には、開封後すぐに食品と一緒に密封容器に入れることで、酸素の侵入を防ぎます。使用する際には、脱酸素剤が食品に直接触れないように注意しましょう。脱酸素剤は高温や湿気に弱いため、使用環境にも注意が必要です。 また、脱酸素剤の主な成分は鉄粉・無機材・塩分などで、急性毒性試験による安全性は確認されていますが、誤って食べてしまわないように気をつける必要があります。子供やペットの手の届かない場所に保管してください。使用後の脱酸素剤は、お住いの地域の廃棄物処理規則に従って適切に処分しましょう。 脱酸素剤カテゴリはこちら脱酸素剤の正しい保管方法|効果を長持ちさせるために大切なポイント
脱酸素剤は開封後の取り扱いや保管方法によって、効果の持続性や安全性が大きく変わります。ここでは、開封時に気をつけたいポイントと、未使用・再利用時の正しい保管方法について、実践的なコツを交えてわかりやすく解説します。
開封・使用時の注意点
脱酸素剤を開封したら、すぐに使用することが基本です。空気中の酸素と反応し始めるため、長時間放置すると効果が薄れてしまいます。使用前には、外装袋の脱気状態と酸素検知剤の色を必ず確認しましょう。ピンク色であれば使用可能、紫色に変色している場合は使用不可です。 また、食品などの袋詰め作業を始める前には、余った脱酸素剤が入った外装袋の空気をしっかり抜き、袋にしわが寄らないよう丁寧にシールしてください。脱気シール機を使うと、より確実に密封できて安心です。シールが甘いまま放置してしまうと、外装袋内に反応熱がこもって袋が熱くなり、脱酸素剤の性能が急激に低下するリスクもあります。少しの油断が品質劣化につながるため、作業後はしっかり密封されているか再確認しましょう。未使用・開封後の保管方法
脱酸素剤を安全に長持ちさせるには、保管方法が非常に重要です。未開封の製品であっても、高温多湿な環境では品質が劣化するおそれがあります。直射日光を避け、15℃以下の冷暗所や冷蔵庫での保管がおすすめです。 開封後に使い切れなかった場合は、できるだけ早く使い切ることが基本です。ただし一時的に保管する必要がある場合は、脱酸素剤が入った袋の空気をできる限り抜いたうえで、密封性の高い袋や容器で保存してください。保管中も、前述の酸素検知剤の色(ピンク=使用可/紫=使用不可)を目安に状態確認を行うと安心です。 真空パック器カテゴリはこちらよくある質問
脱酸素剤を使用する際には、さまざまな疑問や不安が生じることがあります。この見出しは、脱酸素剤に関するよくある質問に対して、具体的な解決策や対処法を提供します。これにより、安心して脱酸素剤を使用できるようサポートします。
Q1. 脱酸素剤が熱くなったらどうしたらいい?
A. 自然な反応なので心配は不要ですが、触れずに冷ますようにしてください。 脱酸素剤が熱を持つのは、酸素を吸収する際に鉄粉などが化学反応を起こすためであり、異常ではありません。ただし、触れるとやけどの危険があるため、熱くなった場合は直接触れないようにしましょう。熱が長時間続くようであれば、使用を中止し、安全な場所で冷ますことが推奨されます。また、火気の近くでは使用しないなど、基本的な取り扱い方法を守ることで安全に使用できます。Q2. 脱酸素剤を誤って食べてしまったら、どうしたらいい?
A. すぐに吐き出し、医療機関に相談してください。 脱酸素剤は食品には無害とされていますが、食べることを前提に作られていないため、誤って口に入れた場合はすぐに吐き出し、口内をよく洗ってください。そのうえで、医療機関に連絡し、指示を仰ぐことが重要です。誤飲を防ぐために、脱酸素剤は食品と明確に分けて保管し、子供やペットの手の届かない場所に置くようにしましょう。多くの製品には注意書きが記載されていますので、使用前の確認もおすすめです。Q3. 脱酸素剤の捨て方は?
A. 使用済みであれば、通常の家庭ごみとして処分できます。 脱酸素剤は一度使用されたものであれば、基本的に可燃ごみや不燃ごみとして処分可能です。ただし、自治体によって分別ルールが異なるため、地域の指示を確認してから捨てましょう。また、環境への配慮として、密封して他のごみと混ざらないようにすることも推奨されます。Q4. 脱酸素剤は再利用できる?
A. 一度使用した脱酸素剤は再利用できません。 脱酸素剤は、内部の鉄粉などが酸素と反応することで効果を発揮する使い切りの製品です。外見は変化がなくても、酸素吸収能力は失われているため、再利用しても効果は期待できません。使用状況を示すインジケーター付きの製品もありますが、開封後に時間が経つと性能が落ちる可能性もあるため、新しいものを使うのが安全です。誤って再利用しないよう、使用済みのものは明確に分けて廃棄しましょう。 脱酸素剤カテゴリはこちら脱酸素剤の役割と効果のまとめ
ここまで、脱酸素剤の種類や特徴などの解説をしてきました。多くの食品にとって、酸素に触れることは品質の劣化、変色、カビや害虫の発生などの大きな要因となります。また、食品中の油脂成分が酸化することで、食品の鮮度や美味しさが損なわれます。脱酸素剤は鉄が錆びる際に周囲の酸素を吸収するという性質を利用し、密封容器の中に入れることで中の酸素を取り除き脱酸素状態を実現します。これによって食品を劣化やカビ・害虫の発生から守り、食品の鮮度と美味しさを保ち長期保存を可能にします。脱酸素剤の種類や内容量から用途に合ったものを選び、是非活用してみて下さい。
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