プラスチックコップで熱湯はOK?温度ごとの耐熱性と危険性を解説
プラスチックコップは、普段使いからアウトドアやイベントまで幅広く使える便利なアイテムです。でも「熱湯は入れていいの?」「どこまで耐えられるの?」と疑問に思うこともありますよね。実は、素材によって耐熱温度が大きく異なり、使い方を誤ると変形したり、有害物質が溶け出す危険もあります。この記事では、素材ごとの耐熱性や注意点をわかりやすくまとめました。お湯に使えるコップの選び方も紹介するので、安全に使うための参考にしてください。
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プラスチックコップに熱湯を入れるとどうなる?主なリスクと注意点
プラスチックコップは軽くて扱いやすい反面、熱湯を注ぐ場面では注意が必要です。耐熱温度を超える熱が加わると、コップが変形したり、素材によっては溶けてしまったりすることもあります。さらに、適さないプラ素材では高温時に有害物質が溶け出す可能性も否定できません。見た目が同じようなコップでも素材ごとに耐熱性が異なるため、「どれなら熱湯に使えるのか」を理解することが安全の第一歩です。ここでは、プラスチックコップに熱湯を入れた際に起こりやすいリスクや、避けるべき使い方についてわかりやすく解説します。
プラスチックコップに熱湯を入れた際の主なトラブル例
熱湯をプラスチックコップに入れた際には、見た目以上にさまざまなトラブルが起こる可能性があります。まず多いのが、耐熱温度を超えることでコップが急に柔らかくなり、持ち上げた瞬間につぶれてしまうパターンです。これにより、熱湯が手にかかって火傷につながる危険があります。また、素材によっては高温で表面が溶けたり、ひび割れが生じたりして、飲み物が漏れ出すこともあります。さらに、適さないタイプのプラスチックでは、熱により微量の成分が溶け出し、においや味に影響を与えるケースも考えられます。こうしたトラブルは一見すると些細なようでいて、やけどや健康への不安など深刻な問題につながりかねないため、使用前に素材や耐熱温度をしっかり確認することが重要です。プラスチックコップの変形や溶けるリスク
プラスチックコップが変形したり溶けたりする主な原因は、素材が持つ耐熱温度を大きく超える熱が加わることにあります。特にポリスチレン(PS)など耐熱性の低い素材は、熱湯を注いだ瞬間に表面がふやけて柔らかくなり、指で軽く押しただけでも形が崩れてしまうことがあります。見た目はしっかりしていても内部の構造が弱くなるため、手に持った際に突然へこんで熱い飲み物がこぼれ落ちてしまう危険もあります。また、極端に高温になると局所的に溶け始め、底がたわんで水平に置けなくなるケースや、白く濁ったように劣化する場合もあります。こうした変形や溶融は一度起きると元に戻らず、使用そのものが危険になるため、熱湯や高温の飲み物を扱う際には素材の種類と耐熱温度をしっかり把握することが欠かせません。熱湯や煮沸による有害物質の溶出と健康への影響
プラスチックコップに耐熱性を超える温度の飲み物を入れると、素材によっては有害物質が微量に溶け出す可能性があります。特に、耐熱性の低いポリスチレン(PS)などは熱に弱く、温度が上がるほど化学成分が溶出しやすくなります。溶け出した物質はにおいや味に影響を与えるだけでなく、長期的に摂取し続けることで健康リスクを引き起こす可能性も指摘されています。例えば、プラスチックの添加剤として使われる可塑剤や安定剤は、高温環境で分子が不安定になりやすく、飲み物に混ざることで体内に取り込まれるリスクがあります。また、目に見えないレベルでも成分溶出は起こり得るため、「溶けるほどではないから大丈夫」と油断するのは禁物です。安全に利用するためには、耐熱表示を確認したうえで、熱湯や高温の飲み物には耐熱性の高い素材を選ぶことが重要です。 プラスチックコップカテゴリはこちらプラスチックコップの耐熱性を示す温度表示と見方
プラスチックコップを安全に使うためには、パッケージや本体に記載された耐熱温度を正しく読み取ることが欠かせません。見慣れた数値でも素材によって意味が異なり、同じ温度表示でも実際の使い方に注意が必要な場合があります。ここでは、耐熱温度が示す本当の意味と、確認すべき表示ポイントについてわかりやすく解説します。
耐熱温度とは何か
耐熱温度とは、プラスチック素材が変形したり品質が劣化したりせずに安全に使用できる上限の温度を指します。この温度を超えると、見た目が保たれていても内部の構造が弱くなり、急な変形や溶けが発生しやすくなります。また、素材が不安定になることで成分が溶け出すリスクも高まるため、熱い飲み物を扱う際には非常に重要な指標です。表示されている耐熱温度は「ここまでなら大丈夫」という保証ではなく、「この温度を超えると危険」という上限値であるため、実際の使用では余裕を持った温度で使うことが望まれます。プラスチックコップの耐熱表示のチェックポイント
耐熱表示を確認する際は、まず数字だけでなく「耐熱温度」「耐冷温度」「電子レンジ可」など付随する表記の有無をチェックすることが大切です。耐熱温度の数値が記載されていても、実際には熱湯に対応していない素材もあるため、素材名とセットで確認するのが基本です。また、パッケージでは細かい条件が補足されていることが多く、「熱湯不可」「電子レンジ不可」といった注意書きは見落とし厳禁です。さらに、コップ本体に刻印されたリサイクルマークの番号から素材の種類がわかるため、耐熱性の目安を判断する手がかりにもなります。こうしたポイントを押さえておけば、実際に熱い飲み物を注ぐ場面でもより安全に使うことができます。 プラスチックコップカテゴリはこちら素材別で違う!プラスチックコップの耐熱温度と特徴
プラスチックコップは同じように見えても、素材ごとに耐熱温度も特徴も大きく異なります。熱湯に使えるかどうかは素材次第であり、間違った種類を選ぶと変形や有害物質の溶出といったトラブルを招くこともあります。ここでは、代表的なプラスチック素材の耐熱性と特徴をわかりやすく比較し、どの場面でどの素材が適しているのかを整理して紹介します。
ポリプロピレン(PP)製コップの耐熱性
ポリプロピレン(PP)はプラスチックの中でも耐熱性が高く、一般的に100℃前後の熱湯でも変形しにくい素材です。融点自体は約160℃と高いため、熱で溶ける心配は比較的少なく、ホットドリンク向けのカップにもよく使われています。ただし、製品ごとに設定されている耐熱温度は80~120℃ほどと幅があるため、実際に使う際はパッケージ表示を確認し、耐熱温度100℃以上のものを選ぶと安心です。ポリスチレン(PS)製コップの耐熱性
ポリスチレン(PS)製のコップは透明で見た目がきれいな反面、熱にはあまり強くありません。素材自体が高温で軟らかくなりやすいため、60~80℃ほどを超えると形がゆがんだり、ひび割れたりすることがあります。特に熱湯を注ぐと、持ち上げた瞬間につぶれたり、底がふくらんで不安定になるなど、トラブルが起きやすいのが特徴です。ホットドリンク用には基本的に不向きな素材なので、温かい飲み物を入れる場合はPS以外の耐熱性の高いコップを選ぶのが安全です。ポリエチレンテレフタレート(PET)製コップの耐熱性
PET製コップは透明で見栄えがよく、冷たい飲み物を美しく見せる用途に優れた素材ですが、熱にはあまり強くありません。一般的なPETコップでは約60℃前後を超えると形がゆるやかに変化し始め、特に70~80℃を超えると軟化やゆがみが起きやすくなります(ガラス転移温度が70~80℃程度)です。さらに、熱湯(90~100℃)を直接注ぐ用途では、変形や強度低下、素材からの微量成分の溶出などのリスクが高まるため、基本的には「冷たい飲料用」として使うべき素材です。したがって、温かい飲み物を提供する場面では、PET以外の耐熱性の高い素材を選ぶことが安心と言えます。アクリル(PMMA)製コップの耐熱性
アクリルは透明度が高く見た目が美しいことからコップにも使われますが、耐熱性はあまり高くありません。一般的な耐熱温度は70~90℃ほどで、60℃台後半を超えるあたりからゆがみや白濁が起きやすくなります。熱湯やホットドリンクを注ぐと変形やひび割れが生じる可能性があるため、アクリル製のコップは基本的に冷たい飲み物向けと考えるのが安全です。同じプラスチックでもPPのような高耐熱素材とは特性が大きく異なるため、用途に応じて選ぶことが大切です。| 素材 | 熱湯(100℃)OK? | 目安耐熱温度 |
|---|---|---|
| ポリプロピレン(PP) | ○ | 80~120℃(製品差があるため、耐熱100℃以上表記のものが安心) |
| ポリスチレン(PS) | × | 60~80℃ |
| ポリエチレンテレフタレート(PET) | × | 約60℃前後まで(70~80℃で軟化・変形しやすい) |
| アクリル(PMMA) | × | 70~90℃(高温でゆがみ・白濁の可能性あり) |
安全に使うためのプラスチックコップの選び方と利用シーン
プラスチックコップを安全に使うためには、素材の特性や耐熱温度を理解したうえで用途に合ったものを選ぶことが重要です。見た目が同じでも耐えられる温度や使えるシーンが大きく異なるため、状況に合わせて適切なタイプを選ぶことでトラブルを防ぎやすくなります。ここでは、ホットドリンク向けの判断基準や、アウトドア・イベントなどでの注意点をわかりやすく紹介します。
加熱飲料に適したプラスチックコップの判断基準
加熱飲料用のプラスチックコップを選ぶときは、次のチェックポイントを押さえておくと失敗しにくくなります。どれも購入前にサッと確認できる内容なので、ぜひ参考にしてみてください。 ・耐熱温度が100℃以上になっている ・素材がPP(ポリプロピレン)など耐熱性の高い種類 ・「温飲可」「熱湯OK」などの明記がある ・食品接触可・電子レンジ可など使用条件が記載されている ・リサイクルマークの素材コードが適している(例:5=PP) ・薄すぎず、変形しにくい厚みや構造になっている これらを満たしているコップなら、熱い飲み物でも安心して使える可能性がぐっと高まります。アウトドアやパーティーでのプラスチックコップ利用時の注意点
アウトドアやパーティーでプラスチックコップを使う場合は、普段以上に温度変化と火気への注意が必要です。特にバーベキューコンロや焚き火、ろうそくなどの近くでは、直接火に当たらなくても放射熱によってコップが軟らかくなったり、変形したりすることがあります。素材によっては高温に弱く、熱が伝わるだけで底がたわむこともあるため、火のそばに置くのは避けるべきです。また、屋外は風でコップが倒れやすく、薄手のタイプだと熱い飲み物を注いだ瞬間につぶれてこぼれる危険もあります。アウトドアやイベントで使う際は、耐熱性の高い素材・厚みのあるタイプ・フタ付きなど安全性の高いものを選び、火気から距離をとる、安定した場所に置くといった基本ルールを守ることで、より安心して使用できます。 プラスチックコップカテゴリはこちらプラスチックコップと熱湯の取り扱いに関するQ&A
使い捨てプラスチックのコップを熱湯に入れても大丈夫?
一般的なプラスチックコップは、お湯に入れても大丈夫なものと、そうでないものがあります。安全に使えるかどうかは素材と耐熱温度で決まります。耐熱性の高いポリプロピレン(PP)などはお湯に対応できる場合がありますが、ポリスチレン(PS)やPETのように耐熱性が低い素材は、60~80℃程度でも変形したり、溶けたりする可能性があります。見た目が似ていても耐熱性がまったく違うため、お湯を注ぐ前に耐熱温度の表示と素材名を必ず確認することが大切です。プラスチックコップ は何度まで温められますか?
プラスチックコップが耐えられる温度は、どんな素材で作られているかによって大きく変わります。耐熱仕様のあるPP(ポリプロピレン)なら、高温に強いものだと100℃前後まで使えるケースがあります。ただし、すべてのPPが同じ性能ではないため、実際は商品ごとに上限温度が設定されています。一方、PS(ポリスチレン)やPETのような素材は高温が苦手で、60℃台を超えると形がゆがんだり、表面が柔らかくなることがあります。つまり「何度までOKか」は一律ではなく、そのコップ自体の耐熱表記を見るのが一番確実です。プラスチックはお湯で何度で変形しますか?
プラスチックは種類によって“軟らかくなる温度”が違います。たとえば、透明なコップによく使われるPS(ポリスチレン)やPETは熱に弱く、60~70℃あたりからコシがなくなり、熱湯を注ぐと一気に形が崩れやすくなります。逆に、PP(ポリプロピレン)のように熱に強い素材は100℃近い温度でも形を保てることが多く、すぐには変形しにくいのが特徴です。ただし、どの素材でも“表示された耐熱温度を超えると変形のリスクが一気に高まる”ため、正確な見極めにはそのコップの耐熱表示を確認するのが一番確実です。 プラスチックコップカテゴリはこちらプラスチックコップで熱湯を扱う際に知っておきたいポイントまとめ
プラスチックコップで熱湯を扱うときは、素材ごとの耐熱性の違いを理解し、用途に合ったタイプを選ぶことが何より大切です。特に、PPのように高温に強い素材であれば比較的安心して使えますが、PSやPETのように熱に弱い素材は60~80℃ほどでも変形することがあるため注意が必要です。また、耐熱温度は製品ごとに設定されているため、必ずパッケージや本体の表示を確認し、熱湯を注ぐ前に安全ラインを把握しておきましょう。さらに、屋外やイベントでは火気や気温差の影響で変形が起きやすかったり、倒れてこぼれやすくなるため、安定した場所に置く・フタ付きのカップを使うなどの工夫も重要です。こうしたポイントを押さえておけば、熱湯を扱う場面でもプラスチックコップをより安全に活用できます。
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