初心者必見テスターの使い方完全ガイド - 基礎から電界効果トランジスタまで
テスターを使いこなすことは、電気計測の基本を押さえる上で非常に重要です。特に初心者の方にとっては、どこから始めれば良いのか迷うこともあるでしょう。この記事では、デジタルマルチメーターや電気計測器としてのテスターの基本的な使い方から、ダイオードの向きや導通確認の方法、さらには電界効果トランジスタの測定方法まで幅広く解説します。
これを読むことで、電圧や電流、抵抗の測り方だけでなく、短絡と開放の判断基準やダイオードの極性判定法など、電気計測に必要なスキルを身につけることができます。この記事を読んでテスターの使い方をマスターしましょう。
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テスターの基本
テスターとは、電気回路の状態を把握するための基本ツールです。電気の流れが正常か、どこかで断線していないか、あるいは部品が故障していないかを確認できます。使い方をマスターすることで、トラブルの原因を自分で特定し、より安全かつ効率的に作業を進めることが可能になります。電気計測器としてのテスターの役割を理解し、正確な測定を行うための基礎を身につけましょう。デジタルマルチメーターとは

まずはテスターの種類について簡単に見てみましょう。
デジタルマルチメーターとは、電圧・電流・抵抗などを測定できる多機能な計測器のことで、一般的には「テスター」と呼ばれることもあります。デジタル表示により測定値が正確に読み取れるため、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
多くのモデルでは、直流(DC)・交流(AC)の電圧や電流のほか、抵抗、ダイオード、導通のチェックなどにも対応しており、電気工事士やエンジニアはもちろん、DIYユーザーにも広く使われています。
この計測器を使いこなすことで、電気回路の理解が深まり、より高度な電子工作や修理にもチャレンジできるようになります。
アナログテスターとは

アナログテスターは、針がスケール上を動いて測定値を示すタイプのテスターです。反応がリアルタイムで分かるため、数値の変動が視覚的に把握しやすいという特徴があります。ただし、スケールの読み取りには多少の慣れが必要です。
現在ではデジタル表示のモデルが主流となっていますが、電源不要で動作するアナログテスターも、現場によっては根強い支持があります。
電気計測器としての重要性
電気計測器は、電気回路の状態を正確に把握するために不可欠なツールです。特にデジタルマルチメーターは、電圧や電流、抵抗の測定を通じて回路の正常性を確認する役割を果たします。これにより、回路の設計や修理、トラブルシューティングの精度が向上します。 また、電界効果トランジスタやダイオードなどの半導体部品の性能評価にも利用されます。電気計測器を活用することで、電気回路の問題を迅速に特定し、効率的な対応が可能になります。初心者にとっても、電気計測器の基本的な使い方をマスターすることで、より安全で効果的な電気作業が実現します。テスターの基本的な測定手順
測定を行う際は、以下の流れを基本として覚えておきましょう。 1.測定対象(電圧・電流・抵抗など)に合わせて、テスターのモード(ダイヤル)を設定 2.リード線(赤・黒)を測定ポイントに接続 3.表示された数値を確認・記録 4.測定後は電源をオフにし、リードを外して片付ける このような手順を守ることで、機器の故障や事故を防ぎ、安全に測定を行うことができます。 電気計測器カテゴリはこちら デジタルマルチメーターカテゴリはこちらテスターで測定できる電気計測項目
テスターは、電気回路の様々な状態を測定するための重要なツールです。ここでは初心者がテスターを使用して測定できる、基本的な電気計測項目について解説します。電圧、電流、抵抗など、日常的によく使用される項目を理解することで、電気回路の状態を正確に把握できるようになります。
電圧の測り方
電圧を測る際は、テスターのモードを「電圧(V)」に設定します。 赤のリードを電源側(+)、黒のリードを接地側(-)に接続し、測定値を読み取ります。直流(DC)と交流(AC)では設定が異なるので、対象に合わせて切り替えましょう。 また、測定する電圧の大きさに応じてレンジ(測定範囲)を調整することも大切です。高すぎる電圧を低レンジで測ると、テスターが破損する可能性があるので注意してください。電流の測り方
電流を測定するには、回路を一時的に開いてテスターを直列に接続する必要があります。これにより、電流がテスターを通過し、測定が可能になります。テスターのダイヤルを電流測定モードに設定し、適切なレンジを選択することが重要です。直流電流(DC)と交流電流(AC)での設定が異なるため、測定対象に応じて切り替えましょう。 測定時は、テスターの最大電流を超えないように注意が必要です。過電流が流れるとテスターが故障する可能性があります。また、電流測定は電圧測定と異なり、回路を切り離す作業が必要なため、安全に留意して行ってください。抵抗の測り方
抵抗を測定する際には、測定対象の回路から電源を切り離すことが重要です。電源が接続されたまま測定すると、テスターに誤った値が表示されることがあります。テスターのダイヤルを抵抗測定モードに設定し、リード線を測定対象の両端に接続します。表示される値が抵抗の値です。 抵抗測定では、測定対象が完全に放電されていることを確認してください。また、測定する抵抗の範囲に応じて、適切なレンジを選択することが必要です。正確な測定を行うために、テスターの校正が適切に行われているかも確認しておきましょう。 電気計測器カテゴリはこちら デジタルマルチメーターカテゴリはこちら導通確認の方法
導通確認は、回路の中で電気がきちんと流れているか(=断線していないか)を調べる基本的なテストです。デジタルマルチメーターの「導通モード」を使えば、プローブを当てるだけでブザー音や表示で導通の有無を知らせてくれるため、とても便利です。ここでは導通確認の基本手順と短絡と解放の判断基準をご紹介します。
導通確認の手順
1.テスターを「導通モード」に設定 2.プローブを回路の両端に接触 3.音が鳴ったり、表示が変われば導通あり 4.無音や「OL」表示などが出た場合は断線の可能性あり 導通チェックは配線や接点の異常発見に役立ちます。初めての方でも比較的簡単に扱えるので、ぜひ覚えておきたい機能です。短絡と開放の判断基準
短絡(ショート)と開放(オープン)は、回路の異常状態を示す重要な指標です。 短絡とは、回路内で本来つながってはいけない2点が、誤って直接つながってしまい、非常に低い抵抗の経路ができてしまう状態を指します。この状態では、大きな電流が流れて部品を破損する恐れがあります。。テスターで測定した際に、抵抗値が極端に低い場合は短絡が疑われます。 一方、開放は回路が完全に切れてしまっている状態です。この場合、テスターで測定すると抵抗値が非常に高くなるか、無限大を示します。これらの判断基準を理解しておくことで、回路の異常を迅速に特定することができます。 電気計測器カテゴリはこちら デジタルマルチメーターカテゴリはこちらダイオードの向きと正しい測り方
ダイオードの向きは、電子機器の動作において極めて重要な要素です。初心者の方がダイオードの向きを正しく理解し、テスターを使って測定する方法を知ることで、電子回路のトラブルを未然に防ぐことができます。ここではダイオードの基本的な特性と、テスターを用いた極性の判定方法について詳しく解説します。
ダイオードの特性
ダイオードは、電流を一方向にのみ流す特性を持つ半導体素子です。この特性により、逆方向の電流を遮断し、電流の流れを制御します。ダイオードには、アノードとカソードという二つの端子があり、通常、カソード側にはバーのようなマークが付いています。これにより、回路内での向きを確認することができます。ダイオードの特性を理解することは、正しい測定や回路設計において非常に重要です。テスターでの極性判定方法
テスターを使用してダイオードの極性を判定する方法は、初心者でも簡単に行えます。まず、テスターをダイオードテストモードに設定します。このモードでは、ダイオードの順方向電圧降下を測定することができます。次に、テスターの赤いプローブをダイオードのアノード側に、黒いプローブをカソード側に接触させます。この状態で、テスターに表示される数値が0.5Vから0.7Vの範囲であれば、ダイオードは正常に動作していると判断できます。ダイオードテストモードで測定したとき、順方向での電圧降下が0.5V~0.7V程度で、逆方向では「OL(オーバーレンジ)」と表示されるのが一般的なシリコンダイオードの正常な動作です。 もし順方向での数値が極端に低かったり(たとえば0.2V以下)、逆方向でも数値が表示される(=逆方向にも電流が流れている)場合は、ダイオードが故障している可能性があります。 電気計測器カテゴリはこちら デジタルマルチメーターカテゴリはこちら 電気・電子部品カテゴリはこちら電界効果トランジスタの使い方と測定
電界効果トランジスタは多くの電子回路で用いられる重要な部品であり、その特性を理解することは回路設計やトラブルシューティングにおいて非常に重要です。ここでは、FETの基本的な動作原理から、具体的な測定方法までを詳しく解説します。
電界効果トランジスタ(FET)とは
電界効果トランジスタ(FET)は、電圧で電流を制御する半導体素子です。FETには、金属酸化膜半導体FET(MOSFET)や接合型FET(JFET)などの種類があります。これらは「ゲート」「ドレイン」「ソース」の3端子があり、ゲートにかける電圧によってドレインとソース間の電流量が変化します。これにより、FETは電子回路におけるスイッチや増幅器として機能します。FETは高入力インピーダンスを持つため、微弱な信号の増幅に適しています。 また、FETは低消費電力で動作し、熱に対する安定性が高いという特徴もあります。このため、FETは電源回路やスイッチング回路、アンプ回路などで広く利用されています。初心者がFETを理解することで、電子回路の設計や解析において大きな一歩を踏み出すことができるでしょう。電界効果トランジスタの動作原理
電界効果トランジスタの動作原理は、ゲートに印加される電圧がドレインとソース間の電流を制御するというものです。たとえば、nチャネル・エンハンスメント型のFETでは、ゲートに正の電圧をかけると、ドレインとソース間にチャネルが形成され、電流が流れやすくなります。逆に、ゲート電圧を下げるとチャネルが狭まり、電流が流れにくくなります。これにより、電界効果トランジスタは電流のスイッチとして機能します。電界効果トランジスタの測定法
電界効果トランジスタ(FET)の測定には、デジタルマルチメーターを使用します。多くのマルチメーターには「ダイオードテストモード」が搭載されており、これを利用することで寄生ダイオードの特性を測定できます。このモードでは、電界効果トランジスタのドレインとソース間にテスターのプローブを接続し、順方向および逆方向の電圧降下を確認することで、FETの正常性を判断できます。ダイオードテストモードがない場合は、抵抗モードを代替手段として使用することも可能ですが、測定精度は劣る可能性があります。 測定時には、電界効果トランジスタのゲートに意図的に静電気を与えることは避けてください。ゲートは静電気に非常に敏感であり、過電圧が加わるとデバイスが破損する恐れがあります。電界効果トランジスタの動作確認を行う際は、適切な電圧をゲートに印加し、ドレイン-ソース間の導通状態を確認する方法が推奨されます。 電気計測器カテゴリはこちら デジタルマルチメーターカテゴリはこちらまとめ
ここまで、テスターの基本的な使い方から、導通確認・ダイオード・電界効果トランジスタの測定方法まで一通り紹介してきました。次のステップとしては、より複雑な回路の測定や、高精度な機器の使い方にもチャレンジしてみましょう。
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