ナパージュとはどんなもの?
基礎知識や種類、
おすすめレシピを公開!
フルーツタルトやパイなどのお菓子のコーティングとして使用される「ナパージュ」。キラキラとした艶のあるコーティングでお菓子をより魅力的にしてくれます。ご自宅でも作ることができるので、ナパージュを使用することでアレンジの幅も広がるでしょう。この記事では、そんなナパージュの役割や種類、おすすめのレシピまで幅広くご紹介いたします。
ナパージュとは?
ナパージュとは、お菓子作りの表面に塗る上掛けゼリーです。ペクチンやゼラチンが含まれており、お菓子の表面に艶を出すことでより美味しそうに見せることができます。またお菓子の乾燥防止や型崩れの防止にもつながるため、ケーキ屋さんなどでは欠かません。ナパージュにはいくつか種類があるため、特徴を理解して上手に使い分けるようにしましょう。
ナパージュの役割
ナパージュを塗ると塗らないでは大きな違いがあります。ここでは、ナパージュの様々な役割について詳しくご紹介いたします。
つやを出しておいしそうに見せる
ナパージュを塗ることで、お菓子の表面にツヤツヤとした美しい光沢が生まれます。艶があることにより、お菓子が新鮮に見えてより美味しそうに見せることができます。あらかじめアプリコットが入ったオレンジ色のものや透明のナパージュにカシスを混ぜたものなど、鮮やかな色合いでお菓子を華やかな印象にすることもできます。
カット面の保護や乾燥の防止
ケーキなどの焼き菓子は、日に日に乾燥してしまいます。せっかくのお菓子がカピカピになってしまっては悲しいですよね。ナパージュをケーキに塗ることで乾燥を防ぐことができます。また乾燥しやすいフルーツのカット面も、ナパージュを塗ることで水分の蒸発を防ぐことができます。カット面を保護するのも風味を損なわないための秘訣です。
フルーツの劣化や変色の防止
バナナやリンゴ、桃などのフルーツは長時間空気に触れていると、表面が変色してしまい見た目も味も損なわれてしまいます。せっかくのきれいなケーキもフルーツが変色してしまっていては残念ですよね。フルーツの表面をナパージュでコーティングすることで空気に触れるのを防ぎ、鮮やかな色合いや新鮮さを保つことができます。
型崩れの防止
ナパージュによるコーティングはケーキの型崩れ防止にもつながります。ケーキの上に乗ったフルーツなどは固定されにくく、ちょっとした衝撃ですぐに崩れてしまいます。ナパージュでコーティングをすることで、フルーツ同士がくっついて固定されるため、ケーキが少しくらい傾いてもトッピングが崩れる心配もありません。持ち運ぶ場合には必須のアイテムです。
ナパージュの主な種類
ナパージュには透明で無味の加熱タイプや非加熱タイプ、風味や鮮やかな色がついた味付きタイプなどがあります。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介いたします。お菓子に合ったナパージュを選ぶことで、お菓子の美味しさを最大限に引き出すことができます。
種類 | 加熱の有無 | 特徴 | 適したお菓子 |
---|---|---|---|
加熱タイプ | あり | ・透明 ・無味 ・高い粘度 |
・フルーツタルト ・ケーキ など |
非加熱タイプ | なし | ・透明 ・無味 ・アレンジがしやすい |
・ムース ・レアチーズケーキ など |
味付きタイプ | どちらのタイプもあり | ・風味付き ・色がついている |
・パイ ・パウンドケーキ ・ババロア など |
加熱タイプ
加熱タイプのナパージュはその名の通り、一度加熱をしてから使用するナパージュです。特徴や使い方についてご紹介いたします。
主な特徴
加熱タイプのナパージュは、透明で比較的粘度のある硬めのテクスチャーが特徴です。そのため艶出しや乾燥防止といった目的以外にも、ケーキのトッピングを固定するのにも最適です。せっかく買ったケーキはきれいな状態で食べたいですよね。ナパージュを使うことによって、ちょっとした傾きや移動中の衝撃によってトッピングが崩れてしまう心配がなくなります。ケーキ屋さんやカフェにおけるテイクアウトなど、お菓子の持ち運びが多い場面では欠かすことのできないアイテムです。ただし、加熱タイプのナパージュは熱い状態でお菓子に掛ける必要があるため、ムースやゼリー、レアチーズケーキといった冷菓には向きません。ナパージュを選ぶ際にはお菓子の特徴を把握するようにしましょう。加熱タイプのナパージュはケーキやタルトへの使用がおすすめです。
使い方やコツ
当然ですが、加熱タイプのナパージュをそのまま使用することはできません。水を加えた後に加熱をすることで使用することができます。ここでは、ナパージュの使い方と、使用の際のコツについてご紹介いたします。
- ナパージュを使用する分だけ取り出します。冷めると固まってしまい塗りにくくなってしまうため、少しずつ温めて使用するのがおすすめです。
- 取り出したナパージュの量に対して規定の量の水を加えます。水の量はナパージュの種類によって異なるため、使用前に必ず確認しましょう。分量を守ることで、トッピングをしっかり固定することができます。
- 水を加えたナパージュを弱火で沸騰させます。滑らかになるように混ぜることで、きれいな艶を実現することができます。
- 液状に溶かしたナパージュをケーキの上に乗せ、刷毛を使ってケーキやフルーツにまんべんなく塗ります。ナパージュをたっぷり乗せて塗ることで、キラキラ感が増します。
トッピングのフルーツだけに塗りたい場合には、フルーツをナパージュに漬け込んでから取り出してケーキにトッピングするのもおすすめですよ。その際には、ケーキに垂れてしまわないように注意が必要です。
保管方法
常温で保存できるタイプや冷蔵保存必須のものなど種類によって異なります。購入する際には必ず保存方法を確認しましょう。また開封後はできるだけ早く使い切るようにしましょう。使用量に見合った量のナパージュを選ぶことも重要です。
おすすめレシピ
【キラキラフルーツタルトの作り方】
*材料*- 加熱用ナパージュ - 50g
- 水 - 10g
- フルーツがたっぷり乗ったフルーツタルトを用意します。
- ナパージュに水を加えて、よく混ぜ合わせながら沸騰させます。
- フルーツの上に少しずつナパージュを落とし、刷毛を使って優しく塗り広げます。
- 3の作業を繰り返して全体にナパージュを塗り広げます。
- タルトを冷蔵庫で冷やして完成です。
非加熱タイプ
非加熱タイプは加熱タイプと異なり、常温のまま使うことができるナパージュです。続いては、非加熱タイプの特徴などをご紹介いたします。
主な特徴
非加熱タイプのナパージュは加熱処理を必要とせずに使用できるため、常温のまま使用できるのが最大の特徴です。透明で無味のものが多く、艶出しで見た目をきれいにしつつお菓子の本来の味を楽しむことができます。非加熱タイプは使いたいときに即座に利用でき、温めなおす手間もないため非常に便利で大人気の商品。また非加熱タイプのナパージュは色や味をつけるのも比較的簡単なため、フルーツピューレなどを作るのにも適しています。加熱タイプとは異なり一度温める必要がなく、フルーツやケーキにダメージを与えずに新鮮な状態で提供をすることができます。冷蔵庫で冷やすことによりナパージュが固まりやすくなるため、ムースやゼリー、レアチーズケーキなどの冷菓にもおすすめです。基本要冷蔵のお菓子やフルーツのコーティングに使用される非加熱タイプは焼き菓子には適しません。
使い方やコツ
非加熱タイプは加水や加熱をせずに常温のままお菓子に塗ったり流し込んだりできるため、冷菓に使用するのに最適です。ここでは、ムースのコーティングに使用する際の非加熱タイプのナパージュの正しい使い方とそのコツについてご紹介いたします。
- ナパージュを塗るムースを用意します。
- ムースの上に必要な分のナパージュを落とし、パレットナイフなどを使って塗り広げます。この時、できるだけ平らになるように塗り広げるようにしましょう。そうすることで、滑らかでキラキラとした表面ができあがります。
- ムースの上にトッピングのフルーツなどを乗せる場合には、フルーツにもナパージュを塗ってコーティングをします。トッピングをする前にコーティングをすることで、ムースの滑らかな表面を保ったままフルーツを乗せることができます。刷毛を使うのもいいですが、ナパージュの中にフルーツを漬けるとまんべんなくナパージュでコーティングをすることが可能です。
- 冷蔵庫などでお菓子を冷やして完成です。
ここではムースのコーティングに使用する際の使い方についてご紹介しましたが、他にもババロアやレアチーズケーキなどにも同様の使い方でコーティングをすることができます。
保管方法
加熱タイプと同様に、常温で保存できるタイプや冷蔵保存必須のものなど種類によって異なります。こちらも購入する際には必ず保存方法を確認するようにしましょう。また開封後はできるだけ早く使い切ることで安全に使用することができます。
おすすめレシピ
【つやつやレアチーズケーキの作り方】
*材料*- 非加熱用ナパージュ - 60g
- お好みのフルーツ - 適量
- 冷えたレアチーズケーキを用意します。
- ナパージュをケーキの上に落としたら、パレットナイフで全体が均一になるように塗り広げます。
- ナパージュが入った容器にフルーツを入れ、よくからませます。
- フルーツを取り出してケーキの上にトッピングします。
- 冷蔵庫で冷やして完成です。
味付きナパージュ
透明のナパージュの他にも風味や色がついたタイプもございます。ここでは、それらの特徴や使い方についてご紹介いたします。
主な特徴
上記でご紹介した無味で透明のナパージュではなく、あらかじめ味がついているナパージュです。ケーキやムースの味や見た目にアクセントを加えることができます。中でも人気はアプリコットが入ったナパージュ。アプリコットはあんずを指し、少しオレンジがかった色をしています。アプリコットナパージュは色が焼き色に近いことや、ほんのりとした甘さで優しい味をプラスしてくれること、粘度の調整をしやすいことが特徴です。アプリコットナパージュはパウンドケーキやアップルパイなどの焼き菓子のコーティングに使用されることが多いです。また透明のナパージュにカシスやフランボワーズなどを加えることで赤いナパージュを作ることも可能です。ムースやババロアなどの上に流し込むことで、風味付けをすることができます。見た目が華やかになるのも嬉しいポイントです。
使い方やコツ
はじめから味がついているナパージュや、お好みの材料を使用して味をつけたナパージュは、風味付けや華やかさの演出に最適です。ここでは、透明のナパージュに味をつける方法とそのコツについてご紹介いたします。
- 加熱したナパージュにお好みのフルーツのピューレなどを少しずつ混ぜていきます。このとき、こし器を使用してピューレをこすことで、ダマのないなめらかなナパージュを作ることができます。
- ピューレとナパージュがムラなく混ざるようにしっかり混ぜます。
- ナパージュを塗ります。フルーツなどのトッピングをコーティングする場合は刷毛などで丁寧に塗るのがおすすめです。ケーキ全体やムースなどのコーティングに使用する際は、上から流し込むときれいにコーティングをすることができます。
自分で味をつけるタイプのナパージュをご紹介いたしました。混ぜる材料によって風味や色合いが異なるため、お菓子にぴったりのナパージュを作り上げることができます。いちごやカシスなどを使用すると、鮮やかな色合いで華やかな印象にすることもできます。あらかじめ味がついているものは、加熱タイプか非加熱タイプかでそれぞれ正しい使い方をしましょう。
保管方法
既にご紹介した他のタイプと同様に、常温で保存できるタイプや冷蔵保存必須のものなど種類によって異なります。自分で混ぜて使用する場合には、冷蔵保存をおすすめします。一度開封したものはできるだけ早く使い切るようにしましょう。
おすすめレシピ
【おいしそうなパウンドケーキの作り方】
*材料*- アプリコットナパージュ - 50g
- 焼きあがったパウンドケーキは冷やしておきます。
- アプリコットナパージュを加熱してとろとろにします。
- ケーキの上にナパージュを落とし、刷毛を使って全体にやさしく塗り広げます。ナパージュにアプリコットの風味がついているため、パウンドケーキに塗る際には薄く全体に塗るのがおすすめです。
- 全体に広がったら冷蔵庫で冷やして完成です。
ナパージュを使った旬なレシピ
様々なタイプのあるナパージュ。ここでは、ナパージュを使用した旬のお菓子の作り方をご紹介いたします。
マンゴー杏仁豆腐
- こしたマンゴーピューレをナパージュに混ぜ合わせます。
- ムラなく混ぜ合わせたら、杏仁豆腐の上に流し込みます。
- 残ったナパージュにカットマンゴーを浸してコーティングをします。
- カットマンゴーを、マンゴーナパージュを流し込んだ杏仁豆腐の上にトッピングします。
- 冷蔵庫で冷やして完成です。
まるごと桃のタルト
- 桃の中身はくり抜いて、中にクリームを入れ込みます。
- 土台となるタルトの上に1の桃を乗せます。
- 刷毛を使って桃全体にナパージュを塗り広げます。加熱タイプのナパージュを使用する場合は、あらかじめ加水させてから加熱させて使用するようにしましょう。
- 土台のタルトごと冷蔵庫で冷やして完成です。
メロンムース
- メロンはくり抜き型や計量スプーンを使って丸くくり抜きます。
- グラスにムースを入れたら、上からナパージュを適量流し込みます。非加熱タイプの使用がおすすめです。
- 余ったナパージュにメロンを漬けて全体にからめます。
- メロンをムースの上にトッピングをします。
- 冷蔵庫で冷やして完成です。
まとめ
この記事では、ナパージュの役割から種類、おすすめのレシピまで幅広くご紹介いたしました。ナパージュは艶出しによる見映えの向上からお菓子の乾燥や劣化の防止といった機能的な側面まで様々です。様々なタイプのナパージュがあるため、用途や使用料に合わせて選ぶことが重要です。ご家庭でのご使用からプロが作って販売する商品まで、お菓子作りに欠かすことのできないナパージュ。ぜひこの記事を参考に、ハイクオリティなお菓子を作ってみてください。
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