PPバンドとは?
特徴やメリット、強度、選び方などを解説
荷物の結束や固定など、様々な場面で活躍するPPバンド。強度に優れているため、大きな荷物を扱うお店や、一度に大量の荷物を運ぶ物流の現場では欠かせないアイテムです。その種類や用途は多岐にわたり、それぞれに合わせた選び方が重要です。この記事では、PPバンドの種類や使用シーン、選び方などを詳しくご紹介いたします。
PPバンドとは?
PPバンドは、ポリプロピレン(Polypropylene)素材のストラップやバンドです。PP素材で耐水性があり、場所を選ばずに使用することが可能です。主に荷物の梱包や固定、段ボール箱の底抜け防止などに使用され、工場や物流の現場などで重宝されています。手で締めるタイプや専用の機械を使用して締めるタイプなどがあり、より強く締める際には機械を使用するのがおすすめです。家電量販店や家具屋など、大きい箱や重い荷物を扱う場所では、荷物を持ちやすくするためにPPバンドが使用されています。また、手作りバッグやかごを作成する際の材料として、手芸の領域でも活用されており、カラーや厚み、幅など用途に合わせた選び方が重要です。
PPバンドの種類
PPバンドには、梱包用と手芸用の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴や用途についてご紹介いたします。
梱包用
梱包用PPバンドは、何といってもその強度と汎用性の高さが特徴です。梱包用の中でも手締め用と機械締め用に分かれており、それぞれ使用方法が異なります。ここでは、手締め用と機械締め用の特徴についてご紹介いたします。
- ●手締め用
- 手締め用は比較的柔らかく、機械締め用よりも扱いやすいのが特徴です。専用の機械が不要なため、バンドと専用ストッパーがあればどこでも梱包や結束をすることが可能です。個人で利用する場合や、出荷量が少ない場合、お店における家電や家具のお持ち帰りなどにおすすめです。
- ●機械締め用
- 機械締め用は、手締め用と比べてバンド自体が硬く、ハリがあるのが特徴です。梱包機と呼ばれる専用の機械で梱包や結束をします。出荷量が多い工場や物流施設、重たい金属や、大きな木材などをまとめる現場で使用されています。機械締め用は、機械の機種によって使用できるバンドが異なるため、バンドを選ぶ際には注意が必要です。
手芸用
かごやバッグなどを作成する際の材料として使用される手芸用PPバンドは、梱包用に比べてカラーバリエーションが豊富なのが特徴です。赤や黄色、青といった定番色に加え、ピンクやオレンジ、紫などカラーや、ストライプの柄入りなどもあり、様々な色の組み合わせを楽しむことができます。また、細い幅で柔らかめに作られているため、細かい作業でも取り扱いやすいといった特徴もあります。PPバンドはハリがあり強度が強いため、丈夫なかごやバッグを作成することができます。また、水に強いことや、汚れても簡単にお手入れが可能なことから、水場で使用するボックスや、鉢カバーなどを作ってみてもいいかもしれません。最も基本的な格子模様の編み方をマスターすれば、お花のようなデザインなど様々な模様のアレンジを楽しむことができます。梱包用と比べるとバンド自体の強度は劣りますが、手芸用のPPバンドをラッピングや梱包に利用することも可能です。
PPバンドの利用シーン
ここまでご紹介したように、PPバンドには様々な用途があります。ここでは、PPバンドの使用シーンをまとめてご紹介いたします。
- ●いくつかの荷物を結束して運搬をしやすくする
- ●荷物を固定して荷崩れ防止に
- ●荷物を運ぶ際の持ち手として使う
- ●段ボールの底抜け防止に
- ●手芸の材料として、バッグやかごの作成に
耐久性や耐水性に優れた便利なPPバンドは、この他にもアイデア次第で様々な用途に活用することができます。
PPバンドを利用するメリット・デメリット
PPバンドには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。それぞれについてご紹介していきます。
メリット
- ●高い強度
- PPバンドは軽量でありながら強度が高く、手で強く引っ張っても破損することはほとんどありません。また、耐摩耗性があるため傷に強く劣化しにくいのも嬉しいポイントです。
- ●耐水性
- PPバンドの素材であるポリプロピレンは、自動車の部品などにも使用されており、水濡れに強いのが特徴です。雨に濡れる野外での使用や、湿気が多い場所での保管などにも活用することが可能です。
- ●環境にやさしい
- ポリプロピレンは炭素と水素から構成されており、燃やしてもダイオキシンのような有害物質を発生しないといった特徴を持っています。環境への配慮という面でも、企業から大きな信頼を得ています。
- ●コストパフォーマンス
- 安価で大量に生産されているPPバンドはコストパフォーマンスに優れ、ご家庭から業務用まで幅広く使用されています。
デメリット
- ●耐候性
- PPバンドは耐候性が低く、直射日光や紫外線の影響を受けやすいといった特徴を持ちます。劣化や変色、変形といったトラブルに陥りやすいため、注意が必要です。長時間直射日光に当て続けたり、紫外線を浴びる場所での保管は避けましょう。
- ●接着性
- ポリプロピレンは接着がしづらいため、バンド同士をくっつけたい場合は、専用の機械やストッパーが必要になります。機械締め用のバンドの場合は、熱で溶着させることが多いです。手締め用はストッパーを使用しましょう。
- ●圧迫跡
- 強い力で締められることの多いPPバンドですが、締める際に強く締めすぎると、箱に圧迫した跡がついたり、箱自体が変形してしまったりすることがあります。圧迫跡や変形を防止したい場合は、PPバンドがあたる部分に紙を挟むなどして工夫をする必要があります。
PPバンドの選び方は?
PPバンドの種類と特徴をご紹介いたしました。ここからは、梱包用PPバンドの選び方についてご紹介いたします。
強度
PPバンドは厚みによって引張強度が異なります。厚ければ厚いほど強度は高くなり、薄いバンドは強度が低くなります。では、どれくらいの重さを目安にしたらよいのでしょうか。一般的に人が運べるような重さの荷物の梱包や結束であれば、そこまでの強度は必要としないため、100kg前後の引張強度で十分です。反対に人間が持てない重さの金属や荷物、大型のパレットや木材などを束ねる場合は250kg以上の引張強度があるバンドを使用しましょう。また、機械によっても必要強度が異なるため、機械を使用する際は確認をする必要があります。
梱包機種
梱包用PPバンドには手締め用と機械締め用があります。機械締め用のバンドを手で締めようすると怪我に繋がる危険性があるため、手で締める際は必ず手締め用のPPバンドを使用してください。専用のストッパーを使用すると簡単に固定することができます。機械締め用のバンドで梱包をする際には、専用の梱包機を使用します。梱包機には、半自動梱包機、自動梱包機、大型自動梱包機の大きく分けて3タイプがあり、それぞれ対応するバンドのサイズが異なります。梱包機を使用する際には、必ず機種を確認したうえでバンドを選ぶようにしましょう。
半自動梱包機
半自動梱包機は、人の手と梱包機で梱包をします。荷物を台の上に置いたら、PPバンドの巻き付けを人の手で行います。ここから先の締め付け、切断、溶着までの工程を梱包機がやってくれます。締め付けが機械による作業なので、締め付け具合のばらつきをなくすことができます。アーチに通しやすくするため、自立しやすい厚めタイプのバンドがおすすめです。半自動梱包機には、オフィス内でも使える卓上型や、重量物を持ち上げる作業を軽減する低床型など、用途に合わせてお選びいただけます。半自動梱包機の設置には、電源と設置スペースを確保する必要があります。取り入れる際には、対応する電圧と機械のサイズを確認してから導入するようにしましょう。
自動梱包機
自動梱包機は、バンドの巻き付けから締め付け、切断、溶着までのすべての工程を、ボタンを押すだけで全自動でやってくれる梱包機です。半自動梱包機と同様に、締め付け具合にばらつきがなく、安定した梱包が可能です。さらにバンドの結束作業を大幅に省力化することができるため、作業効率の向上にも貢献します。最新の自動梱包機は、1秒ほどで巻き付け可能な高速タイプや、作業スペースを最小限に抑えたい方におすすめの超薄型タイプなどもございます。水産業など、水がかかる現場でご使用の際には、ステンレスボディの耐水性が高いタイプが最適です。薄めのバンドはコスト削減に繋がりますが、厚めのバンドが自立しやすく使い勝手がいいのでおすすめです。
大型自動梱包機
大型自動梱包機は、超大型の荷物などを梱包する際に使用される業務用の梱包機です。特注のものが多く、基本的には人の手で持ち上げられない大きな荷物を、運ぶところから梱包まですべて自動でやってくれます。高さ2mを超える荷物を梱包可能なタイプや、パレットの内側と外側からバンドをかけてくれるタイプなどがあり、大きな荷物でもしっかり固定することができます。工場や物流施設など、大きな荷物を大量に梱包する現場でのご使用がおすすめです。大型自動梱包機を使用する際は、厚めのバンドか重梱包用のバンドを使用しましょう。また、PPバンドの結束時には熱を用いるため、消費電力が大きくなります。導入前に必要電力の確認も必要です。
まとめ
本記事では、PPバンドの種類ごとの用途やメリット・デメリット、強度や使用機械による選び方などをご紹介いたしました。PPバンドは、荷物の梱包や結束といった業務用の用途から、バッグやかごなどのハンドメイド作品の材料といった個人的な用途まで、様々なシーンで活用されています。用途や使用する機械によっても選び方が異なるPPバンド。ぜひ、本記事で紹介した特徴や選び方を参考に、PPバンドを活用してみてください。
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