シモジマオンラインスタッフ
公開日:2025/06/13 00:00
更新日:2025/10/17 15:50
真空ポンプ購入前に!エアコン真空引き手順と選び方完全ガイド

エアコンを効率よく運転させるには、「真空引き」という作業が欠かせません。これは配管内の空気や湿気を取り除く工程で、怠ると冷房効率の低下や故障につながるおそれがあります。とくに新しくエアコンを取り付けるときや、長期間使っていなかったエアコンを再稼働させるときには、正しく行うことが重要です。この記事では、真空引きの具体的な方法や必要な道具、そして真空ポンプの選び方まで丁寧に解説します。エアコン真空引きに初めて挑戦する方でも安心できる内容となっていますので、ぜひ参考にして、エアコンの性能をしっかり引き出しましょう。
この記事は、包装用品・店舗用品の通販 「シモジマオンラインショップ 」が監修しています。
真空引きとは?その重要性を解説
エアコンの真空引きとは、
エアコンの配管内に残った空気や水分を取り除く作業のことを指します。このプロセスは、新しいエアコンの設置時や修理後に非常に重要です。なぜなら、配管内に空気や水分が残っていると、
冷媒の流れが妨げられ、エアコンの効率が低下するからです。また、配管内部の湿気が原因で、腐食や故障のリスクが高まることもあります。
真空引きを正しく行うことで、エアコンの性能を最大限に引き出し、長期間にわたって安定した運転を維持することが可能になります。さらに、エネルギー効率の向上や運転音の低減にも寄与します。このように、真空引きはエアコンのパフォーマンスを保つために欠かせないプロセスであり、適切な手順で行うことが求められます。
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真空引きが必要なシーンとは?

真空引きはエアコンの取り付け時に必須の作業ですが、実はそれ以外にも必要となるタイミングがあります。「この場合も必要なの?」と迷う方のために、真空引きが求められる具体的なシーンを紹介します。
新しいエアコンを取り付けるとき
エアコンの新規設置時には、必ず真空引きを行う必要があります。なぜなら、配管内には工場出荷時に空気や湿気が混入しており、
そのまま冷媒を流すと冷房効率が低下し、最悪の場合コンプレッサーが故障してしまうことも。新品であっても、真空引きなしでは本来の性能を発揮できません。
エアコンの移設や配管を再接続したとき
引っ越しやリフォームなどでエアコンを取り外して再設置する場合も、真空引きは必須です。再接続時には配管内に空気が入り込むため、新品設置と同じく真空状態を作り直す必要があります。この作業を省いてしまうと、
冷えが悪い・異音がする・エアコンが止まるなどの不具合が起こりやすくなります。
冷媒の補充や入れ替えを行ったとき
冷媒が減ってしまったり、ガス漏れが発生したりした際に冷媒の補充や入れ替えを行う場合も、真空引きを行わないと冷媒が正しく循環しません。内部に空気や水分が残ったままだと、
新しい冷媒が本来の性能を発揮できず、逆に故障リスクを高めてしまいます。
長期間使用していなかったエアコンを再稼働するとき
エアコンを長く使わずに放置していた場合、
配管内に湿気が溜まっていたり、バルブの気密が緩んで空気が入り込んでいる可能性があります。
再使用時に異常が見られる場合は、真空引きを再度行うことで、より安全かつ快適に使用できます。
「たった一度の作業で、エアコンの性能と寿命が大きく変わる」――だからこそ、これらのタイミングでは忘れずに真空引きを行いましょう!
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エアパージと真空引きの違い
エアコンの配管内の空気や湿気を抜く方法として、真空引きの他にも「エアパージ」と呼ばれるやり方が存在します。どちらも似た目的で使われますが、その仕組みや効果には大きな違いがあります。ここでは、それぞれの方法の特徴や違いをわかりやすく比較し、どちらを選ぶべきかを解説します。
エアパージとは?
エアパージとは、冷媒の圧力を使って配管内の空気を押し出す簡易的な方法です。真空ポンプを使わずに施工できるため、以前は簡易な施工方法として使われることもありました。ただし、
空気や水分を完全に除去できないため、冷房効率の低下や故障のリスクがあります。現在では、環境保護や機器の長寿命化の観点から、
家庭用エアコンでは推奨されていません。
エアパージと真空引きの比較
|
エアパージ |
真空引き |
| 方法 |
冷媒で空気を押し出す |
真空ポンプで空気・湿気を吸い出す |
| 道具 |
特別な機器なし(冷媒を一部消費) |
真空ポンプ・マニホールドゲージが必要 |
| 精度 |
低い(不完全) |
高い(ほぼ完全に空気・湿気を除去) |
| 冷媒の無駄 |
あり(排出時に漏れる) |
なし(冷媒をそのまま活かせる) |
| エアコンへの影響 |
故障・性能低下のリスクがある |
性能を最大化し、故障リスクを軽減できる |
| 推奨度 |
× 非推奨(旧方式) |
◎ 推奨(現代の標準的な施工方法) |
真空引きは、エアコンの性能を最大限に活かし、長く快適に使うための大切なステップです。
一方、エアパージは簡易的な方法ですが、現在では家庭用エアコンの施工においては、一般的に推奨されていません。
安全性・確実性を重視するなら、真空引きを選びましょう。
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初めてでも安心!エアコン真空引きの基本ステップ
エアコンの設置やメンテナンスを行う際に、「真空引きが必要」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?このセクションでは、初めて挑戦する方でも安心して作業できるよう、真空引きの基本ステップを詳しく解説します。手順をきちんと理解しておくことで、正確かつ効率的に作業を進められ、エアコンの性能を最大限に引き出すことができます。
必要な道具と準備
真空引きを行うには、専用の道具と事前の準備が欠かせません。まず必要になるのは、配管内の空気や湿気を取り除くための「真空ポンプ」です。これは真空状態を作る中心的な機器であり、これがなければ真空引きはできません。
次に必要なのが「マニホールドゲージセット」です。これは、配管内の圧力を測定し、真空引きが正常に行われているかを確認するための道具です。セットにはホースも付属していることが多く、真空ポンプやサービスバルブとの接続に使用します。
ステップ1:エアコンの準備
真空引きを開始する前に、まずはエアコン本体と作業環境の準備を行いましょう。
まず、エアコンの電源が完全にオフになっていることを確認し、できればブレーカーも切っておくとより安全です。確認が出来たら室外機のサービスポートのナットを外します。
ステップ2:真空ポンプの接続
続いて、真空ポンプを配管に接続します。まず、真空ポンプにマニホールドゲージを取り付け、低圧側を室外機のサービスポートにしっかり接続し、ホースの取り付け状態も確認しましょう。
接続が完了したら、各バルブやホースに漏れやゆるみがないか再確認します。問題がなければポンプの電源を入れて作業を開始します。ポンプは高温になるため、素手で触れないよう注意が必要です。正確な接続と確認を行うことで、安全かつ確実な真空引きが可能になります。
ステップ3:真空状態の確認
真空ポンプを稼働させたら、配管内が真空状態になっているかを確認します。マニホールドゲージの針が-0.1MPa前後や1,000ミクロン以下を指し、変化がなければ成功です。真空状態は15~30分程度の維持が理想で、湿度が高い環境や再利用配管では1時間程度の保持が望ましいとされます。針が戻る場合は漏れの可能性があるため、接続部を再チェックしましょう。
真空状態が安定すればポンプの電源を切り、ゲージとホースを外して作業完了です。この確認が、エアコンの性能を引き出すカギとなります。
以上の手順を丁寧に踏めば、初めてでも真空引きを正しく安全に行うことができます。
不安な方は、写真や動画付きの手順書を参考にしたり、必要に応じて専門業者への依頼も検討すると良いでしょう。
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真空ポンプを使う際の注意点・安全対策

エアコンの真空引き作業は正しく行えば安心・安全ですが、誤った使い方をすると機器の破損やケガにつながる可能性もあります。特にDIYで初めて挑戦する方は、事前に注意点を押さえておくことが大切です。ここでは、作業中によくあるミスや安全のために気をつけるべきポイントを紹介します。
作業時のよくあるミス
真空引き作業では、以下のような初歩的なミスが多く見られます。
接続ミスによる真空状態の不良
ホースやバルブの接続が甘いと、空気が混入してしまい真空状態を正しく作れません。パッキンの劣化や締め付け不足にも注意が必要です。
ポンプの連続運転による過熱
長時間ポンプを稼働させすぎると、内部が高温になりトラブルの原因に。取扱説明書に記載された稼働時間を守ることが重要です。
ゲージ圧の確認不足
真空度を示すゲージをしっかり確認せずに作業を終えると、適切な真空引きができていない可能性があります。
オイル不足や劣化したオイルの使用
オイル式ポンプの場合、オイルが不足・劣化していると正常に動作しません。作業前にオイルの量と状態をチェックしましょう。
こうした基本的なポイントを押さえるだけでも、失敗のリスクを大きく減らすことができます。
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ケガ・事故を防ぐためのポイント
真空引き作業中は、以下の安全対策を心がけましょう。
絶対に電源コードを濡らさない
屋外や結露の多い場所では特に注意が必要です。感電やショートのリスクがあります。
ホースやポンプの熱に注意する
作業中はポンプが高温になることがあるため、素手で触らず、冷却時間を設けましょう。
ゴーグル・手袋を着用する
万一の液漏れや高圧トラブルに備えて、目や手を守る保護具の着用をおすすめします。
作業場所を整える
足元が滑りやすかったり、道具が散乱していると転倒の原因になります。作業前に環境を整えておきましょう。
お子様やペットが近づかないようにする
家庭でDIY作業を行う場合は、誤って触れないよう十分に配慮を。
安全第一を心がけることで、作業に対する不安もぐっと減ります。焦らず丁寧に進めていきましょう。
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真空ポンプの選び方ガイド

エアコンの真空引きを行う際、真空ポンプの選び方は非常に重要です。適切なポンプを選ぶことで、エアコンの性能を最大限に引き出し、長持ちさせることができます。この見出しは、真空ポンプの選び方に悩んでいる方に向けて、どのようなポイントを考慮すべきかを詳しく解説します。真空ポンプの種類や選ぶ際の注意点を理解し、最適な選択をするための手助けとなる情報を提供します。
真空ポンプの種類
真空ポンプにはいくつかの種類があります。それぞれの特性を理解することで、最適なポンプを選ぶことが可能です。
まず、最も一般的なのが
「ロータリーポンプ」です。これは、シンプルな構造でありながら高い性能を持ち、家庭用エアコンの真空引きに適しています。次に、
「ダイアフラムポンプ」は、オイルフリーでクリーンな作業が可能なため、環境に配慮した選択肢として人気があります。また、
「ターボ分子ポンプ」は、非常に高い真空度を要求される場合に使用されることが多いです。
これらの種類を理解し、自分のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。
真空ポンプを選ぶ際に考慮するポイント
真空ポンプを選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮することが重要です。
まず、エアコンの容量や使用環境に応じたポンプの
「能力」を確認しましょう。ポンプの能力が不足していると、真空引きが不十分になり、エアコンの性能に悪影響を及ぼす可能性があります。次に、
「メンテナンスのしやすさ」も重要なポイントです。オイル交換が必要なポンプの場合、手間を考慮して選ぶと良いでしょう。また、
「価格」も重要な要素です。予算内で最適な性能を発揮できるポンプを選ぶことが求められます。
これらのポイントを踏まえ、自分のニーズに最も合った真空ポンプを選ぶことが大切です。
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真空引きに関するよくある質問

エアコンの真空引きについて疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。この見出しは、真空引きに関するよくある質問に答えることで、あなたの疑問を解消し、安心して作業を行えるようにサポートします。真空引きの頻度や失敗した場合の対処法について、具体的なアドバイスを提供しますので、参考にしてください。
Q.真空引きをしないとどうなる?
A.エアコンの冷房効率が悪化し、故障の原因になります。
真空引きを行わずにエアコンを使用すると、配管内に空気や水分が残ったまま運転することになります。これにより、
冷媒の循環が妨げられて冷房効率が大幅に低下したり、
コンプレッサーに負荷がかかって故障しやすくなる可能性があります。
さらに、配管内に水分がある状態で冷媒を流すと、
配管が凍結したり、内部腐食が進行したりするリスクも。これはエアコンの寿命を縮める原因にもなります。短期的には冷えが悪い、長期的には高額な修理が必要になるケースもあるため、新規設置時や冷媒の入れ替え時には必ず真空引きを行うことが大切です。
Q.真空引きはどのくらいの頻度で行うべきか?
A.設置や修理のたびに行うのが基本です。
真空引きは、新規設置や冷媒の補充・入れ替え、配管の再接続、修理後など、
空気や湿気が混入する可能性のある場面で毎回行うのが基本です。また、長期間使っていなかったエアコンの再使用時や、配管の気密性に不安がある場合にも推奨されます。
冷媒漏れや効きの悪さといった不調時にも真空引きを行うと安心です。異常がなくても、点検の一環として定期的に行うのも効果的です。
真空引きを適切に実施することで、性能を維持し寿命を延ばすことができます。DIYの際は手順を確認し、
難しければ専門業者に相談しましょう。
Q.失敗した場合の対処法
A.漏れ確認と再施工が基本対応です。
真空引きに失敗した場合、
まず冷媒が漏れていないか確認することが重要です。冷媒漏れがあると、エアコンの効率が低下し、最悪の場合、故障の原因となることがあります。漏れが確認された場合は、
直ちに修理を行いましょう。また、真空引きが不十分であると感じた場合は、
再度真空ポンプを使用して、適切に真空引きを行うことが必要です。
失敗を防ぐためには、真空ポンプの使用方法をしっかりと理解し、適切な手順で作業を進めることが大切です。もし自分で対応が難しい場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。失敗を未然に防ぐことで、エアコンの性能を維持し、快適な環境を保つことができます。
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まとめ:今後のメンテナンスに役立つポイント

エアコンの真空引きが完了した後も、定期的なメンテナンスは欠かせません。まず、フィルターの清掃を忘れずに行いましょう。フィルターが詰まると、エアコンの効率が低下し、電気代が増加する原因となります。また、室外機の周りに障害物がないか確認し、空気の流れを妨げないようにしてください。
さらに、エアコンの運転中に異音がしたり、冷暖房の効きが悪くなった場合は、早めに専門業者に点検を依頼することが重要です。特に、真空引きが不十分な場合、冷媒の漏れが発生することがありますので、注意が必要です。これらのポイントを押さえておくことで、エアコンを長く快適に使用することができます。
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